インターミテント・ファスティングとは
インターミテント・ファスティングとは「断続的断食」のことを指します。”断続的に行う断食”という言葉通りの意味で、近年とても流行している健康法です。一日の中で決められた時間の間は断食をし、残りの時間は好きなものを食べます。当然、食べた方が良い、悪い食材はありつつも、多くの時間を食べておらずカロリー摂取量を減らすことができるので、減量に繋がるのです。
インターネット上にはファスティングを行うにあたってのベストな方法やその利点、またファスティング中にできるエクササイズ等、ファスティングについての記事がたくさんあります。しかしほぼ全く書かれていない点が一つあります。それは性別によるファスティングの影響、特に女性特有の健康に及ぼす影響です。
今回は、女性のための「インターミテント・ファスティングガイド」をご紹介します。
インターミテント・ファスティングの種類
インターミテント・ファスティングには、様々なファスティングメソッドがあるのをご存知でしょうか? その種類をご紹介します。
朝食を摂らず、12-20時というように、8時間の間に食事を全て済ませる方法です。残りの16時間は断食をします。寝る時間もこの16時間に含まれるので、比較的取り組みやすく、最もポピュラーです。
週に1回か2回、24時間の断食を行う方法です。例えば、火曜日の夕食から、水曜日の夕食まで断食をします。
週の2日間続けて500~600カロリーしか摂取できませんが、他の5日間は普通に食べて良い方法です。
文字通り一日は普通に食べて、翌日は全く食べない(または数百カロリーしか食べない)方法です。こちらは異なるバージョンが多いため、自分に合うやり方を調べましょう。
一日の大半を少量の果物や野菜で済ませて、夜にメインの食事をとる方法です。
ランダムに食事をスキップする方法です。特にガイドラインはないので、気分次第で行います。
インターミテント・ファスティングが体に与える影響
インターミテント・ファスティングの最も一般的な目的は減量です。しかし、他の健康効果がないわけではありません。定期的に断食を行っている人は、健康状態の数値が改善され、慢性的な健康状態のリスクが減少し、脳の健康状態が改善されることが分かっています。この章では、インターミテント・ファスティングが体に与える影響をご紹介します。
1. 細胞、遺伝子、ホルモンの機能を変化させる
インスリン値が下がる
インスリンのレベルが低下すると、減量につながります。なぜなら、インスリンが低下すると体が脂肪を燃焼し始めるからです。
人間の成長ホルモンが増加する
このホルモンは、多くの利点がありますが、脂肪燃焼と筋肉の増加の促進も含まれています。
細胞が修復する
体内で細胞から老廃物を除去し始めます。
遺伝子発現を活性化する
長寿や病気からの保護に関連することが分かっている遺伝子に変化をもたらします。
2. 減量する
上記のように、インスリンのレベルが低下し、人間の成長ホルモンが増加します。これらの複合的な機能は、体が脂肪を燃焼し始める原因となりますが、代謝率も増加させるので、同じ時間内でより多くのカロリーが消費されます。
3. 酸化ストレスを減らす
酸化ストレスは老化や多くの慢性疾患への一歩です。断続的な断食は、酸化ストレスを撃退するのに役立つことが研究で明らかになっています。
4. 心臓の健康
インターミテント・ファスティングが改善を助けることが示されている危険因子はいくつかに、血圧、総コレステロールやLDLコレステロール、血中トリグリセリド、炎症性マーカー、血糖値などです。
5. 脳の健康
ラットを対象としたいくつかの研究で、インターミテント・ファスティングは、神経細胞を増殖させる可能性があるということが明らかになっています。これは脳機能に利益をもたらします。脳由来神経栄養因子(BDNF)は、断食中にレベルが上昇しており、BDNFのレベルが低いと、うつ病をはじめとする多くの脳の問題と関連があるとされています。また、断食は精神的なバランスをもたらし、集中力を高め、記憶力を向上させるとも言われています。
インターミテント・ファスティングの女性への影響
男性と女性の断食には、遺伝的な構造上、多くの違いがあります。女性のホルモンは、男性と比べてエネルギー供給の不足に対して異なる反応を示すのです。この章では、インターミテント・ファスティングが女性にだけ及ぼす可能性のある症状をご紹介します。
インターミテント・ファスティングが女性にだけ及ぼす可能性のある症状
・生殖機能を変化させてしまう
・痩せ細ってしまう
・月経周期の乱れ
・ストレスに対する反応の増加
・自発的な活動を増加させる
・学習と記憶力の向上
・脳由来の神経栄養因子の循環レベルの上昇
女性のホルモンは非常に絡み合っているので、1つが影響されると、連鎖的に他のホルモンへも影響してしまいます。このアンバランスが上記のリストに繋がるのです。これは、いい面もあり、あまり良くない面もあると言えるでしょう。しかしインターミテント・ファスティングが女性に影響を与える可能性がある中で最も重要なものは、月経周期が乱れる、もしくは完全に停止してしまうということでしょう。
生理が来ないことは大きな問題なのか
ファスティングのせいで生理が来なくても、そんなに重要なことではないと思うかもしれません。今までに一度や二度は経験したことがあるかも方もいるでしょう。しかし、生理は私たちの体がどのように機能しているかを示す大きな指標なのです。生理は受胎可能性を示すだけでなく、体全体の健康状態を示すものでもあります。妊娠を望んでいなくても、生理があることは重要であり、体に何が起こっているのかを知る手がかりとなるのです。
生理が来ない原因
ファスティングで体重が減ること自体はもちろん良いことですが、それは生理にも影響を与えます。これに関してはあまり心配する必要はありません。時間の経過と共に体がサイクルを改善するでしょう。
食事をしなかったり、必要な栄養素を十分に摂らなかったりすると、体にストレスがかかり、生理が来なくなる原因になります。
インターミテント・ファスティングの影響に関する研究は、実はあまり多くはありません。しかし体重、運動、カロリー制限などの行動に関する研究などと比較することで、断食の効果と比較することができます。カロリー制限は脳にストレスを与え、性ホルモンの放出を乱します。また、その影響は、エストロゲンのバランスにも。エストロゲンは女性の発育に大きな役割を果たすホルモンです。基本的に女性の体は、妊娠をサポートするために必要な栄養や代謝エネルギーが不足していると、そのまま生殖周期をシャットダウンしてしまいます。もし妊娠をしたいと思っているののなら断食を控えて下さい。少なくとも、主治医に相談してからにしましょう。
インターミテント・ファスティングは生理に影響を与えずに実行できるのか
インターミテント・ファスティングが体や月経周期にどのような影響を与えるのか、正確に把握することは難しいです。そのため誰にでもベストな決まった方法というのはありません。数日間のファスティングが生理に影響を与えることはほとんど考えられませんが、食事の質、カロリー摂取量、BMIを意識するようにしましょう。食べるものに気を付ける必要がありますし、特定の栄養素の欠乏や低血糖レベルが下がりすぎていないか確認する必要があります。
そこで、生理日を毎回記録しておくことをおすすめめします。生理を記録しておくことで、自分の周期の長さをよりよく知ることができるだけでなく(生理が来ても驚かなくて済む)、自分にとって何が正常なのかを知ることがでるでしょう。女性の生理周期は、月ごとに異なる場合もあります。自分の正常な周期を知っていれば、何が変化したのかをより簡単に認識することができるはずです。
女性の最も効果的なインターミテント・ファスティングのアプローチとは
インターミテント・ファスティングの研究の多くはラットで行われているので、そもそも人間の研究が多くありません。女性に特化したものはさらに少ないです。つまり断食は、実証のない意見が多く存在するので、かなり曖昧だと言えます。女性のためのいくつかの一般的なガイドラインは以下の通りです。
・理想的な断食時間は12~16時間です。
・断食中は水分をたっぷり摂るようにしましょう。
・断食日には軽い運動を心がけましょう
・ファスティングに慣れるということは、「始めたばかりの時に連続して行わない」ということです。(最初は週3日(1日おき)を2週間程度の小規模なものから始めてみましょう。)
インターミテント・ファスティングを避けるべき人
・母乳中の方
・眠れない等の睡眠障害の方
・過度の慢性ストレスを抱えている方
・摂食障害の既往歴のある方
インターミテント・ファスティングは、あくまで健康的なライフスタイルの補助をしてくれるツールです。なのでジャンクフードを食べてもいいと思っていると、なんのメリットを得ることもできないでしょう。
自分に合った方法でインターミテント・ファスティングを取り入れよう
女性のための「インターミテント・ファスティングガイド」をご紹介しました。インターミテント・ファスティングガイドには実証のない意見が多く存在するので、かなり曖昧だと言えます。しかし他の研究などと比較することで、断食の効果を知ることができます。
この記事を参考に自分のライフスタイルと照らし合わせて無理のないようにインターミテント・ファスティングを取り入れていきましょう。
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