最大心拍数が大切な理由と計算方法
トレーニングや減量をしているのであれば、心拍数にフォーカスしてみましょう。
目標の心拍数を測定して、トレーニングを最大限に活かすには、まず自身の最大心拍数(MHR)を知る必要があります。最大心拍数とは、運動中に毎分心臓が安全に拍動できる最速の心拍数のことです。
本来、MHRの正確な測定値を得るには医師の診察が必要ですが、自分でMHRを測る計算式が存在します。計算した数値を参考に、自宅やジムでのワークアウトの強度を調整しましょう。
今回は、最大心拍数(MHR)が大切な理由と計算方法をご紹介していきます。
MHRを測定してみましょう
クリニックにある高度な心拍数モニターで、MHRを測定するのが最も正確な数値を出す方法ですが、Fox、Tanaka、Gulatiと呼ばれる3つの最大心拍数を推定するための有効な計算方法があるので、まずは自分で計算してみましょう。
◆Fox式◆
MHRを計算するために最も一般的に使われている式。Fox式は、220から年齢を差し引くだけでMHRの数値が出せる単純な計算式なので、疾病管理予防センター(CDC)など、多くの主要な保健機関で使用されています。
FOX式: 220 –自身の年齢
◆田中式◆
数十年前から存在するFox式は、計算式から出される数値は正確ではなく、高齢者に対応できていないことで批判されてきました。田中式は、年齢と性別が18,000人を超える被験者を含む351の異なる研究のMHR値を分析した後、2001年に米国心臓病学会誌にて発表され、より正確な計算式だということで使用されはじめました。
田中式:206.9-(0.67 x自身の年齢)
◆Gulati式◆
人の性別は最大心拍数と運動能力に影響を与えると考えられていますが、フォックス法も田中法も、人の性別を適切に考慮された計算式ではなく、主に男性のデータに基づいて計算されてきました。そこで、2010年6月、女性の最大心拍数をより正確に予測できるGulati(グラティ)式が新たに発表されました。
グラティ式:206-(0.88 x自身の年齢)
目標心拍数ゾーン内で運動する
MHRの数値を使用して、年齢に基づいてどれだけの強度の運動を行えるのかを調べることができます。目標心拍数ゾーン内で運動をすれば、心血管系を強化し、肺活量を増強することが可能です。
適度なトレーニングを行うには、MHRの50〜70%以内、より激しいトレーニングを行うには、MHRの70〜85%以内で運動しましょう。
トレーニング内容によって目標の心拍数を設定することも可能です。
High-Intensity Interval Training(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)通称「HIIT(ヒット)」は短時間で、心拍数を上げ体脂肪を落とすのに効果的なトレーニング方法です。
HIITワークアウトの場合、最も激しいインターバル中は、最大心拍数の約80〜95%に到達するのが理想的です。
変わって、ジョギングやサイクリングなどの低強度の定常状態の心臓の理想的な心拍数は、MHRの60〜80%です。
また、フィットネスレベルに応じて、トレーニング中に達成したい心拍数の範囲を決めることもできます。
週に4日以上運動する場合は、最大心拍数の上限までトレーニングしても良いですが、心拍数を持続できないと感じる場合は、トレーニング強度をゆるく設定してください。安全のために、最も厳しい感覚を1分未満に保つことが大切です。
さらに、休憩とリカバリー時間を取り入れることを常に意識しながらトレーニングしてください。自身の最大心拍数を超えることは可能ですが、通常、過剰な心拍数(頻脈と呼ばれる)は、異常な心臓の状態、特定の薬剤の使用、または甲状腺ホルモンの上昇によってのみ発生するので、以上のことを頭に入れておいておくことが大切です。
心拍数を測定する方法
Apple Watchのようなアクティビティトラッカーには、トレーニング中の1分あたりの心拍数を推定できる心拍数モニターが組み込まれています。多くのフィットネストラッカー測定の精度はまだ議論の余地がありますが、ほとんどのデバイスは心拍数の精度が95%以上です。
または、心拍モニターが組み込まれたデバイスをお持ちでない方は、昔ながらの方法で心拍数を測定してみましょう。
エクササイズ中に短時間停止し、約15秒間自分の脈を取ります。人差し指と中指を首または手首の内側に置きます。 15秒間の脈数をカウントし、その数に4を掛けて1分あたりの脈数を測定します。
MHRを理解して、健康的で効率良くトレーニングしよう!
今回は、最大心拍数(MHR)が大切な理由と計算方法をご紹介しました。
MHRを理解することで、自分にとって適切な強度で運動していることが逐一確認できます。次のレベルに自分を引き上げるためにも、心拍数ベースでトレーニングをカスタマイズしてみてはいかがでしょうか。
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