気候変動や異常気象による人体への悪影響
気候と健康に関する医学会の最新の研究で、気候変動は単なる環境問題だけではなく私たちの身体にも直結する健康問題でもあるということがわかりました。
7割のアメリカ人は、人間が引き起こす大気汚染などが健康被害があることを理解していますが、気候変動が健康に大きな影響を与えていることを知っている人は3割もいません。
全米小児科学会、全米医師会、全米心理学会を含む12もの医学会の会員を組み合わせたコンソーシアムという医療従事者グループは、気候変動が健康に大きく影響を与えていることを世に広めるために活動の幅を広げています。
「多くの人々は、気候変動は自分には関係がないという考えを持っていますが、気候変動はすでに多くの人々の健康を害しています。今後、この事柄について対応しなければ、さらに非常に多くの人々の健康が害されていくでしょう。」
コンソーシアム主任:モナ・サルファティ博士
一体、どのような健康被害が出ているのか?
コンソーシアムは、人体に悪影響を与える項目を極端な暑さ、極端な天候、大気汚染、ダニと蚊、汚染水、汚染食物、精神的健康、栄養の8つに分けました。
日本でも、毎年夏になると熱中症で倒れてしまう方も少なくないですが、極端な暑さは人体に悪影響を及ぼします。
また、地震や台風などの被害で、家が大破してしまったり、家族が離れ離れになってしまうなど、避難せざるを得ない状態になってしまった場合、多くの精神的ストレスが原因で薬物乱用、アルコール依存症、薬物使用、うつ病、不安に繋がってしまう傾向があります。
2016年に、アメリカのルイジアナ州の1/3が洪水で浸水しました。その経験をした子供の中には、今現在も雨が降った時にパニックを起こしてしまうほど精神的な後遺症が残っている子供もいます。
医師達は、大気汚染から発生するスモッグが原因で起きる心肺停止から、異常気象によって発生する山火事での死亡まで、”気候変動は多くの健康問題につながる可能性がある”と警告してきましたが、タラレバの話だとして軽視されてきました。
しかし、医師達はここ数年、飛躍的にこういった症状の患者が増えていると警鐘を鳴らしています。
なぜ研究を続けるのか?
「我々の研究資料を読んでもらえれば、いかに広範囲かつ何十もの研究の統計を元にまとめられているかが理解していただけるはずだ。」とサルファティ博士は言っていますが、今まで膨大な数の研究が行われてきて、答えが明白なのにも関わらず、なぜ更なる研究をし続ける必要があるのでしょうか?
その答えは、私たちが未だにこの研究結果に対して理解を示していないからです。
気象変動による健康被害は増え続けているのに、以前の研究結果を無視した人々から共感を得られていない為、そのような人達の理解を得られるよう、コンソーシアムは、臨床自習で得られたデータと研究結果の報告書の事例を照らし合わせながら研究を続けているのです。
いつ自分の身に降りかかってきてもおかしくない健康問題
気候変動は単なる環境問題だけではなく私たちの身体にも直結する健康問題でもあるということをご紹介しました。
気候変動が、健康に大きな影響を与えていることを理解している人の割合はまだまだ少ないです。
日本では、熱中症はもちろん、地震、水害などが多く起こりやすい国である為、いつ自分の身に降りかかってきてもおかしくない問題です。是非この機会に、研究結果に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
WELLLEAD(ウェルリード)は、“WELLNESS(ウェルネス)”という概念に沿って、私たちがより幸せにより安心して生きていくために必要となる要素を題材に情報を発信しています。