電子レンジでマスクを殺菌？
コロナウイルスに対する防御手段の一つである医療用「N95マスク」は、感染した患者を治療する医療従事者にとって欠かせないものです。
現在、マスクは使い捨ての仕様になっています。しかし、需要の高まりと供給不足が続いているため、世界中の病院では、過酸化水素の気化、紫外線、加熱培養など、マスクを再利用するための殺菌技術を工夫するようになってきました。
最近の研究では、より効果的で安価な新しい除染方法が提案されています。それが電子レンジです。今回は、電子レンジでマスクを殺菌できるか否かについてご紹介します。
マスクを再利用するための研究
大容量の滅菌システムが無い多くの医療センターにとって、マスクの再利用は、最も重要な課題。さらには世界中でコロナウィルスの第3派、4派が懸念されている中、マスクの滅菌技術の進歩は必須です。
ハーバード大学、ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのジェームズ E. カービー博士率いる8人の研究者からなるチームは、「外来診療、最前線の医療従事者、臨床現場 “など、さまざまな医療現場に適切で簡単なマクスの消毒方法を提供することを目指した。」と言います。
材料は、《水、ガラス容器、メッシュ、ゴムバンド、1,100または1,150ワットの電子レンジ》です。水 60mlで容器を満たし、上にのせたメッシュ材料をゴムバンドで固定します。次に、メッシュの上にN95マスクを置き、3分間電子レンジで加熱します。すると、これらの工程でコロナウイルスを含むすべてのウイルスを効果的に死滅させたのです。
また、この滅菌方法を1枚のN95マスクに20回繰り返しても損傷がないことを発見しました。さらに、使用したマスクの種類には金属片があったにもかかわらず、20サイクルのテスト中に発火したり火花が出ることはありませんでした。他にも、この研究は医療現場を念頭に置いて行われましたが、自宅で同じ方法を試してみても害はないそうです。
「シンプルなことですが、非常にシンプルなことでもうまくいくことがあります。」とカービー氏は言います。
エアロゾルサイズの飛沫の吸入を防ぐことができる唯一のマスク「N95」
コロナウイルス感染率の増加に伴い、N95の重要性はますます高くなっています。なぜなら、エアロゾルサイズの飛沫の吸入を防ぐことができる唯一のマスクがN95だからです。
N95が不足しているため、多くの医療従事者が洗濯機で除染できる布製のマスクを着用しています。しかし、パンデミックの感染についての研究が進むにつれ、人々はN95マスクに頼るようになるかもしれません。すると、今回ご紹介した方法による殺菌が行われるのも、遠い未来ではないと言えるでしょう。
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