脳が体に与える影響とは?健康的な「腸」を作るための食べ物をご紹介

脳が体に与える影響とは

自分の体の構造や働きについて考えたことはありますか?我々の皮膚の下では多くの複雑な作用が起こっており、それは健康の授業で学ぶものよりもはるかに複雑なものです。

脳内化学物質である神経伝達物質は、人体に大きな影響を与えます。その影響は、腸から脳に至るまで、さらに感情や精神がどのように感じるかまで及びます。

神経伝達物質は、1つの神経細胞から放出され、シナプスと呼ばれる小さな隙間を越えて別の神経細胞へと移動し、受容体に結合します。

結合した受容体を興奮させたり、抑制したりすることで、脳と体全体に重要な情報を伝達しているのです。

この情報の伝達は肺の呼吸、胃の消化、心臓の鼓動を維持するために必要不可欠で、睡眠、気分、感情などにも影響を与えています。

知っておくべき主要な神経伝達物質

神経伝達物質には多くの種類があり、それぞれが異なる重要な働きをしています。ここでは、皆さんがよく耳にする神経伝達物質をご紹介します。

ガンマアミノ酪酸(GABA)は、神経細胞の活動を阻害したり、抑制したりすることで、落ち着きやリラクゼーションの感情を高めることができるアミノ酸です。体内のGABA数値が低いと、不安や慢性的なストレスの感情につながる可能性があります。

ドーパミンは、身体の協調性や、報酬や意欲に関連する快感に重要な役割を果たしています。多くの中毒性薬物は、脳内のドーパミンレベルを増加させますが、特定の変性疾患(パーキンソン病など)は、ドーパミンを生成するニューロンの損失によって引き起こされます。

セロトニンはほとんどが腸内に存在しています。実際、体内のセロトニンの90%は腸内細菌によって産生されています。セロトニンは食欲、睡眠、記憶、学習、不安、性欲、体温、筋肉の収縮、機能を調節する働きがあります。セロトニンの数値が低いと、うつ病やその他の気の病になってしまいます。

アセチルコリンは、独自の分類に属し、中枢神経系と末梢神経系に存在します。この神経伝達物質は骨格筋を活性化し、筋肉の動き、記憶、学習に役割を果たします。

ノレピネフリンは、「闘うか逃げるか」の反応を調整することで、危険な時に体がとっさに動くようにしてくれます。体が眠っているときに最も低くなります。

腸内細菌と神経伝達物質の関係

腸内マイクロバイオームとは、消化管内に存在する微生物とそのDNAの集合体を指します。腸内の微生物をすべて集めた場合、その重さは人間の脳とほぼ同じで、約370-400グラムになると言われています。

脳と腸は別物のように見えるかもしれませんが、この2つの重要な器官はお互いに依存しており、常にコミュニケーションをとっています。機能医学で迷走神経は、脳と腸の間の経路として腸脳軸と呼ばれています。

腸が脳に影響を与えている一つの方法として、微生物による神経伝達物質の生産があります。

微生物が産生する細菌とその細菌か合成される神経伝達物質のリストは、下の表を参照してください。

バシラス菌:ドーパミン、ノルエピネフリン
ビフィズス菌:γ-アミノ酪酸、GABA
エンテロコックス菌:セロトニン
エシェリヒア菌:ノルエピネフリン、セロトニン
ラクトバシラス菌:アセチルコリン、GABA
ストレプトコッカス菌:セロトニン

上記の細菌の数値が低い場合、腸内微生物の全体的な多様性が低い場合、または病原性微生物(問題を引き起こす可能性のあるもの)のレベルが高い場合は、脳に誤った信号を送っている可能性があります。

研究では、

細菌性腸内細菌のバランスが崩れていると、不安やうつ病、統合失調症などの精神疾患と関連している

上記のことが明らかにされています。

従って、脳の健康と神経伝達物質の生産をサポートするために最も重要な方法の一つが、腸の健康に気を配ることなのです。

健康な腸内マイクロバイオームを作る方法

悪影響を与える食事を摂らないようにする

添加された砂糖、精製/白粉(パン、クラッカー、シリアル、パスタ、菓子パン等)、および加工された肉は、最悪です。一部の食品は、食物過敏症の形で炎症を引き起こす可能性があり、あなたの腸や腸内マイクロバイオームに悪影響を与える可能性があります。

発酵食品を積極的に摂る

プロバイオティクス(善玉菌)サプリメントが開発される前は、食品から健康なバクテリアを摂取していました。これは全身の健康のために驚異的な効果があります。

おすすめの食品は、ザワークラウト、キムチ、味噌(敏感な方はグルテンフリーであることを確認してください)、ケフィア(乳製品に敏感な方は、多くの非乳製品のケフィアの代替品を選択してください)などです。

プレバイオティクスを多く摂る

プロバイオティクス(善玉菌)の栄養素として機能するプレバイオティクス。生の玉ねぎ、アスパラガス、ネギ、チコリ根、アーティチョーク、緑・完熟バナナ、オーツ麦など、多くの食品に含まれています。

プレバイオティクス繊維は消化されないため、結腸で短鎖脂肪酸に発酵され、エネルギーを提供し、腸の内側を覆う細胞を修復してくれます。

まんべんなく食べる

食べる食品の種類によって、わずか数日でマイクロバイオームが変化する可能性があります。

高齢者を対象に行われたある研究では、腸内マイクロバイオームの健康に最も強い影響を与える要因は、多様な食事であることがわかりました。植物性の食品を幅広く食べることで、より多くの細菌に栄養を与えてることができます。

また、腸内マイクロバイオームの健康は、免疫機能の強化や全体的な健康の改善にも関連しています。食生活が多様化すればするほど、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質、植物栄養素の摂取範囲が広くなるのです。

ぜひ週に1つ新しい食べ物を試してみてください。

腸内環境を整えよう

まずは、神経伝達物質が私たちの「健康」において大きな役割を持っていることを理解しましょう。私たちは毎日の食事を通じて、心身ともに健康的な体を作ることができます。

それに加えて神経伝達物質のために(=健康的な体のために)栄養価の高い食品を食べることを心がけましょう。


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