加工食品を食べると体に何が起こるのか
スーパーやコンビニの通路には加工食品がずらりと並んでいますよね。現在、典型的な日本人の食生活の50％は、超加工食品でできていると言われています。
「加工食品は健康に悪影響を及ぼす可能性がある」という事実を知らない人はいないとは思いますが、「実際にどのような影響があるか」を分かっていない人は多いのではないでしょうか？
そこで今回は、加工食品を食べると体に何が起こるのかをご紹介します。
加工食品とは？
加工食品とは、パッケージ化されたシリアルやファストフードよりもはるかに多くのものを指します。技術的に”加工食品 “は、調理、冷凍、パッケージ化されているか、または栄養組成に変更された食品です。加工食品は、最小限の加工からよりしっかりと処理されたものまで幅広くあります。
最小限に加工された食品
トマトの缶詰、カット済みの野菜、ツナ、冷凍フルーツなど、鮮度がピークに達した状態で包装または保存された食品
重加工食品または超加工食品
クラッカー、グラノーラ、コーンビーフなどのすぐに食べられる食品
最も重く加工された食品は、インスタントラーメンのような食事です
強化食品化
加工食品はしばしば健康状態の悪化の原因になっていると非難されていますが、すべての加工食品が悪い評判に値するわけではありません。
加工食品の中には、強化食品化によってビタミンや栄養素が追加されている場合もあります。
強化食品化とは、栄養密度を向上させるために、特定の栄養素を食品に添加することです。例えば、特定の牛乳にはビタミンD（牛乳には自然には存在しない）が添加されていますが、これは私たちの多くが十分に摂取できていない栄養素です。
低温殺菌は、健康に害を与えるのではなく、むしろメリットをもたらす食品加工の一つです。国際乳製品協会によると、低温殺菌は食品（多くの場合、乳製品）に熱を加えて、有害なバクテリアを破壊します。このような食品加工を行わなければ、多くの乳製品は危険な状態で消費されてしまう可能性があるのです。
加工食品を上手に利用する
これらの健康上の利点に加えて、加工食品は、忙しいライフスタイルを送っている人にとって、便利なものです。誰もが毎晩ゼロから料理をする時間やエネルギーを持っているわけではありませんからね。
しかし、もちろん、重度の加工食品は、食べ過ぎたり、頻繁に食べ過ぎたりすると、健康に悪影響を及ぼします。多くの場合、加工は食品が本来持っているビタミンやミネラルを奪うことになるからです。
体重への影響
加工食品は、カロリーを高くなりがちなので、過食や体重増加との相互関係が頻繁に取り上げられます。
超加工された食事がメインな人は、最小限に加工された食生活よりも一日約500カロリー多く食べる傾向があります。その結果、超加工された食生活の人々は、平均して肥満であり、早食いでもあります。
寿命への影響
がんを直接引き起こすことが示されている成分は1つではありませんが、高度に加工された食生活は、全体的な死亡リスクの増加と関連していることが明らかになりました。（5年間の男女約2万人の食生活を分析した2019年5月のBMJ誌の研究から）
この研究では、主な死因はがんであり、超加工食品の摂取量が多い（1日4食以上）人ほど、全死因による死亡リスクが62％高くなるという結果が出ています。
さらに、加工食品を1日に1食追加しただけで、全死因による死亡リスクが18％増加することが分かったのです。
心臓への影響
同じBMJ誌に掲載された2019年5月の10万人以上を対象にした別の研究では、超加工食品を食べることが心臓病のリスク増加と関連していることがわかりました。
関連性を発見した食品の種類のいくつかは、超加工されたソース、肉、砂糖を使った製品、加工された飲料、塩分の多いスナックでした。
13,000人以上の成人のデータをもとに行った研究では、超加工食品からのカロリーが5％増加するごとに心臓の健康が全体的に減少することが分かったのです。
塩分濃度の高さは、心臓病や脳卒中の危険因子である高血圧に関連しています。食事が欧米化した日本人の塩分の大部分が加工食品から来ていることを考えると、今からでも減塩を意識することは、超加工食品の悪影響を最小限に抑えるために取ることができる対策の一つです。
腸への影響
健康な腸とは、種類も数も多様な細菌が存在する状態のことです。日々の食生活は、腸内細菌の構成を変える力あります。
実際、食物繊維を豊富に含む食事は、健康な腸内細菌の増殖を促進し、腸内の炎症を抑えることができます。また、ヨーグルトやザワークラウトなどの発酵食品も、健康な腸を促進してくれます。
研究者たちは、人工甘味料が腸の健康に良いのか悪いのかについての答えに近づいているようです。人工甘味料は、普段から摂取しない人の腸内環境に悪い影響を与えると言います。
加工食品と賢く付き合おう
加工食品を食べると体に何が起こるのかをご紹介しました。
加工食品には様々な種類があるので、すべてを食生活から排除する必要はありません。しかし、「食生活の中で高度に加工された食品が増えている」ということは、抗酸化物質や食物繊維の主な供給源であり、健康に欠かせない果物や野菜の摂取量が減っていることを意味しています。
これからは、高度に加工された食品よりも、最小限の加工食品を優先して、適度に食べるようにしてください。加工を最小限に抑えたものを優先して賢く食べれば、バランスのとれた栄養価の高いライフスタイルの一部になるでしょう。
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